5 % の食塩水と, 13 % の食塩水を混ぜると 5+13=18 % になるという人に言いたい.
5 ℃ の水と 13 ℃の水を混ぜると 5+13=18 ℃ になりますか?
だったら世界のエネルギー問題はすべて解決です.
● 加重平均 ●
ある大学が, 入試で英数 2 科目の得点の平均で合否を決めたいと考えた.
例えば, 英語が 50 点で数学が 90 点だったら, 2 科目の平均をとって,
\displaystyle\frac{50+90}{2}=70 点
となる.
これを数直線で表現すると, 70 点の位置は 50 点と 90 点の中点にあたる.
同じ質量の 2 つのおもりをつり下げたてんびんが, それらの位置の中点を支点としてつり合うのと似ているね.
しかし理系の学部だったら,
英:数=1:3
つまり, 英語に対して数学に 3 倍のウエイトをおきたいということがあるだろう.
そういうときは, 「英数数数 4 科目」 の入試と考えて,
\displaystyle\frac{50+90+90+90}{4}=80 点
とすればよい. これが 加重平均 とよばれるものだ.
結果, 平均がかなり数学寄りになったのがわかる.
具体的には, この 80 点の位置は, 英語の得点の位置からの距離が
80-50=30
数学の得点からの距離が
90-80=10
だから,
(英語からの距離):(数学からの距離)=3:1
そう, 得点のウエイト 英:数=1:3 の逆比になっている.
距離の比はウエイトの比の逆比
実際, てんびんに質量比 1:3 のおもりをつり下げると, 図のように, つり下げた位置を 3:1 に分ける位置を支点としてつり合う.
さて, 5 % の食塩水と, 13 % の食塩水を同じ量 100 g ずつとって混ぜると, 何 % になるかな?
「しょっぱさ 5」 の食塩水と 「しょっぱさ 13」 の食塩水を同じ量ずつ混ぜるわけだから, ちょうど中間の 「しょっぱさ 9」 になると考えられる.
※ 図では数直線の矢印は省略してあります.
では, 5 % の食塩水 100 g と, 13 % の食塩水 300 g を混ぜると, 何 % になるか. つまり, しょっぱくないほうに対してしょっぱいほうのウエイトが 3 倍の場合だ.
■ 例題 1 <混合後の濃度> ■
5 % の食塩水 100 g と, 13 % の食塩水 300 g を混ぜると, 何 % の食塩水になるか.
■ 解答 ■
混合後の濃度を x % とおく.
(x-5):(13-x)=3:1
より,
x-5=3(13-x)
x-5=39-3x
4x=44
x=11
答 11 %
次のように計算してもよいでしょう.
これなら暗算でも答えが出ます.
■ 別解 ■
混合後の濃度を x % とする.
図において,
\color{red}{④}=13-5=8 %
\color{red}{①}=8\div4=2 %
\color{red}{③}=2\times3=6 %
よって,
x=5+6=11 %
答 11 %
Point <濃度算>★★★
てんびん法 (加重平均)
量の逆比は長さの比
逆に, 混合後の濃度から食塩水の量を求めることもできます.
SPONSORED LINK
■ 例題 2 <食塩水の量> ■
4 % の食塩水 600 g に, 14 % の食塩水を何 g 加えると, 8 % の食塩水になるか.
■ 解答 ■
14 % の食塩水の量を x g とおく.
(8-4):(14-8)=4:6=2:3
600:x=3:2
より,
3x=1200
x=400
答 400 g
以上の解法が 「てんびん法」 とよばれているものです.
加えるものが 「水」, 「塩」 である場合もそれぞれ 「0 % 食塩水」, 「100 % 食塩水」 と考えることにより, この解法が使えます.
なお, 3 種類の食塩水を混ぜる場合は 2 回に分けて計算を行えば O.K.